幸せにする刺客、幸せになる資格
☆貴方の役に立てるならそれでいい。けど・・・~side AKARI~
私が松本市内の本店から安曇野支店に異動して1年2ヶ月が経つ。

以前は、金融の窓口業務をしていた。

安曇野支店に異動し、外販課に配属になってから、初めて外回りを担当するようになった。

主には、保険商品の販売と、各契約農家の方々への購買業務。
時には窓口に来られない人のために貯蓄関係の入金や出金の業務も請け負う。

この地域のお客様はほぼりんご農家なので、大きな機材を購入と言うよりは、ノコギリやハサミ、脚立やリアカー、軽トラックの購入に一役買うことが多いかな。

農家を営む人たちは、高齢化が進んでいる。

私が担当する地域の農家の人たちのほとんどが65歳以上の高齢者。

最近は若い人の農業転身なんて話題になる場合もあるけど、そんなの稀だと私は思う。

担当する12件のりんご農家の中で唯一、若い人がいる。

高齢の蜂矢さんからりんご園を引き継いだと言う安西徳文さん…ノリさんだ。

ノリさんは私の1つ年下。
でもそうは見えないかなりしっかり者だ。

私が子供なだけなのかも知れないけど。

そしてノリさんはシングルファザー。
小学校2年生になる大和(ヤマト)くんを男手ひとつで育てている。

お母さんがいないのに、それを感じさせないしっかりした男の子。

この年齢でこの環境。
しかもりんご園を営むとなれば、最初は相当な苦労があっただろう。
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