夕暮れ時を過ぎたソッジョルノは、ピークを過ぎて落ち着いていた。

「なんとか早番の時間前に落ち着いたね。よかった」
「ああ、全然。気にしないで大丈夫でしたから」

了がほっとした顔で言うと、桃花は制服のエプロンを外しながら笑顔で答えた。
午後6時半までが早番のシフトだ。
半端な片付けや着替えなどして、7時前に店を出るのがいつものこと。

今日もそんな流れで仕事を終えると、桃花は了に一度挨拶をして更衣スペースへと向かった。
さっと着替え終えて店に再び顔を出すと、カウンター席にはここ最近恒例の笑顔が待っていた。

「オツカレサマ~」
「わ。もういらっしゃってたんですか! すみません!」

奥のパントリーから出た桃花は頭を下げる。それを受けたジョシュアは、手をひらひらとさせて「いーよー」と答えながら指をさす。

その先を見ると了がタンピングを終えてセットしているところ。
エスプレッソカップを置いて、気圧を掛けたお湯で抽出していく。

僅か20数秒でおとしたエスプレッソのいい香り。

男の人の手だと片手に隠せそうなくらいのその小さなカップを、了はジョシュアの前に置いた。

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