【完】キミと生きた証
カランカランと鐘を鳴らして、手を合わせる。


去年のこと、今年のこと、感謝と図々しくお願いまでしちゃって。


目をあけると、瞬はまだ手を合わせてた。


となりで少し待ってるとようやく目を開けて、大きなお社を見上げてた。



「行こっか。」


「うん。」



あたしたちは手をつないで、二人きりの初詣を終えた。


「あ・・・おみくじ、引きたい。」


「おみくじか。じゃあ引きに行こ。」



200円を箱に納めて、一枚ずつおみくじをひいた。



「せーので開けよ?」


「なんだそれ。カワイ。」



「えぇ・・なんで。」



照れるあたしを笑う瞬。



「じゃ、いいか?」


二人で見つめ合って、呼吸も同時。


「「せーの。」」



ぺりっとはがすと、吉の文字。



「吉だぁ。瞬は?」



「小吉。」



「なんか二人ともまずまずってかんじだね?」


「いい方じゃね?凶じゃねえし。」





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