【完】キミと生きた証
仁奈ちゃんの言葉で、みんなは瞬に恐る恐る近づいたらしい。




「ちとせ、この高校辞めただろ?元気、ねぇから。だから・・。」



ぐっとくまのぬいぐるみをみんなの方に向けた。



「なんか、言葉・・っつうの?書いてほしい。」



「ごめんね、この人ちょっと口下手なの。ようするにこのクマにお見舞いのメッセージ書いてっていいたいんだよね?」



「お見舞いと、あいつ誕生日だから。それも。」



「そっか、ちーちゃん4月うまれだもんな!」


「なんでお前が知ってるんだよ?」


「だって俺、ちーちゃんと仲い・・あ、ちが・・そうじゃなくて」



瞬がタカハシくんにやきもち焼いて、タカハシくんが瞬におびえてっていう中で、ようやく完成したくまさん。



それが、今、あたしが抱きしめてる、クマ。





「最初は超怖いと思ったけど・・いい人だね、カレシ!」


ミキちゃんがにっと笑った。



「すげー愛されてるから、安心したわ。」




南高っていうあたしの小さな世界に、瞬が入った。


大好きな友達が大切なひとをほめてくれる。



「・・・うれしいっ。」



今度は涙も見せずににこにこ笑った。




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