【完】キミと生きた証
そんな・・あたし、何にもしてない。



いつだって、あたしに何かをしてくれるのは・・瞬なのに。



「違います・・。それを言われるのはあたしじゃなくて・・。」



ぼそぼそ手紙に返事を返すあたしを見て、瞬が吹き出した。



「あははっ。何言ってんだよ。」


「だって・・」



「紙袋の中は何なん?」



「あ、うん。パジャマだって」



取り出すと、ふかふかの白くて肌触りのいい可愛いパジャマが入ってた。



「かわいいー!」


「おー、似合いそう。」


「今日着ようかなぁ。」


「あ・・じゃあ、俺・・そのトイレん中いとくから。着たら言って。」



「大丈夫だよ!下にキャミ着てるから。」



「はぁ?いいって。」


「じゃあ・・そっち向いてて?トイレは可哀想。」



瞬が背を向けてから、パジャマに腕を通した。



・・・ふわふわできもちい。


つい撫でちゃう。


それに暖かい。



「着れたよ。」



瞬はゆっくり振り返った。


「・・おう。似合う。」



「きもちいよ、この生地。触って?」



「ほんとだ。」



にこにこ笑うあたしの腕に触れた瞬は、そのままあたしの腕を引いた。




「すげー好き。ちとせ。」



「う、うん。」



「ちとせが笑ってると・・・嬉しい。」



夜は8時。


肌寒くなる。


でも抱きしめられると、心まであったまる。




前より少し広いベッド。



右手にはさっき替えたばかりの点滴が刺さってる。



左側は空いてる。


だからあたしは瞬の手を引いた。




「・・・添い寝したいっていったら、怒る?」





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