不機嫌なアルバトロス
「あ、因みに、俺の妹は少食で人見知りという設定だから、あんま食べ過ぎんなよ?一応病気だし。」



車が停車する。


何度も雑誌に取り上げられているのを見ていたけれど、余りに高過ぎて行くことの叶わなかったフランス料理のお店。


芸能人もご用達とか。


そして季節柄輝く、上品なイルミネーション。



「期待してるよ?乃々香」



運転席からこちらを見る男の笑顔を映し出す。




そうだった。



彼は悪魔だったんだってば。



こんなに天使に見える程甘く整った顔をしているけれど。




甘ったるい声を出すけれど。




私は、




騙されないんだから。
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