無垢な瞳

頭が痛い。

僕は、こめかみのところをさすって痛みを和らげようとする。



しかし、このまま教室でじっと座っているなんて、とてもじゃないが耐えられない。



「先生、具合が悪いので、保健室に行ってきます」



僕は席を立った。




このところ教室にいられるのは、せいぜい一日の半分だ。

ふと気が緩んだりすると、突然頭の中に僕の出生の真実が浮かぶ。

それが僕を苦しめる。

僕は追い詰められて逃げ場を失い、その苦しみをただ耐えるしかなかった。
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