「ごちそうさまでした…ごめんなさい、出してもらっちゃって」

「いいんです。誘ったのは俺ですから。この間のお礼も兼ねて」

会計は全部中山が払った。
朱里は正社員で働いているので明らかに大学生より稼いでいるのだが、中山は断固としてお金を受け取ってくれなかった。





駅まで中山と並んで歩いた。
改札が見えてきた頃、中山は足を止め朱里を見た。

「あ、そっか、中山くん家この近くだもんね。駅までついて来てもらってごめんね」

中山は駅から歩いて数分のアパートに一人暮らしをしているらしい。
この駅から1駅のカフェまで通っている。

「いいんです。あの…橘さん」

「はい」

「一度だけってことで今日来てもらいましたけど、俺はもっと橘さんと会いたいです。カフェ店員とお客さんって関係以上に」

朱里は何も言わず中山の言葉の続きを待った。

「お店で仕事の打ち合わせしてた橘さんを見て、すっごくかっこいいなぁって思って。一生懸命で、綺麗で」

「そう…かな?」

綺麗なんて言われたのはいつ以来だろう…

朱里は顔が赤くなる。

「橘さんのことずっと頭から離れなくて、気になって…いつも頼んでくれるものも覚えて」

「そう、だったんだ…」

朱里は気恥ずかしくなり涙が出そうだった。
こんなにも見ていてくれたなんて知らなかった。

「俺…橘さんが好きです。付き合ってください」

予想してはいたが、思った以上にその言葉が嬉しかった。

中山はイケメンだと思う。
年下の可愛い男の子に好いてもらって、朱里は舞い上がりそうになる。

だからこそ中山に対する言葉を慎重に考えた。

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