本日は授業が終わった後、瑞希とカフェテリアでレポートを仕上げている。

「葛城さん、今週はアメリカに行ってるんだー。それは寂しいわね」

「明後日には帰ってくるんだけど、最近匠さんが忙しくて中々一緒に過ごせる時間がないんだよね」

私は溜息をついてミルクティーを一口飲んだ。

レポートを書くつもりが話はだんだん脇道に逸れて行く。

「じゃあ、大人の階段を登る計画はペンディングか」

瑞希の一言でミルクティーを吹き出しそうになった。

「で、階段はどこまで登ったの?」瑞希は唇の端をあげて小悪魔の笑みを浮かべる。

「な、ナイショです」私は真っ赤になりながら手の甲で唇を拭う。

「馬鹿ねー。そんなん女同士で秘密にしてどーすんのよー。それぞれの経験をシェアして後学に活かしていくのが女の処世術でしょ?」

確かに…私は圧倒的に年頃の同性よりもその手の経験値は低い。

その点、瑞希は場数を踏んでいるので、色々と相談してみるのもいいかもしれない。

「…までした」私はボソボソと呟く。

「へ?」瑞希は眉根を寄せて聞き返す。

「だからー!この間は胸を」

「スペイン語の勉強?」

不意に声を掛けられて振り向くと、祐介さんが微笑みながら佇んでいた。

隣には無愛想な顔をした田中も一緒にいる。

私は今の話を聞かれてはいないかと動揺して「こ、ここんにちは」と口籠ってしまった。

二人とも黒いスーツを着ていて見慣れない姿だ。

田中においては長かった髪をばっさり短く切っていて本来の美貌に磨きがかかっている。

「就職活動の調子は如何ですか?」

瑞希がシャーペンを口元に当てて、小首を傾げながら尋ねる。相変わらず変わり身が早い

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