魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「ところが……?」
「使者は全員王城の門の外で吊し首にされた」
「ひどい……」
「王に刃向かおうとしたと謀反の罪で処刑されてしまったんだ。税の取り立ても厳しくなる一方で、このままでは村人たちがみんな飢えて死んでしまう。そこで、改めて二組の剣士と魔法使いが派遣された。そのうちの後発組の方が俺とセリってわけ」
「そうなの……」
「とはいえ、この状況じゃいったん村に戻るしかない。先発した使者が成果を上げてくれるといいんだけど……」

 私は何も言えず、勇飛くんの少し後ろを黙って歩いた。何もできない無力な自分がとても悔しくて情けなかった。
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