腹黒王子の取扱説明書
12、やっぱり腹黒 ー 麗奈side
専務室を飛び出すと私はすぐに秘書室には戻らず、非常階段に逃げ込んだ。

悔しくて仕方がない。

毎日あんな事を言われ続けるの?

俊は絶対私の事を娼婦のように思ってる。

私の人権なんか無視してるじゃない。

勝手に私を秘書にして……職権乱用もいいとこだ。

目から溢れ落ちる涙を手の甲でさっと拭う。

でも、涙が止まらなくなって私はそのままくずおれた。

このまま……会社続けていけるの?

そんな自信ない。

心がナイフで切り刻まれて、これが毎日続けばきっと私はおかしくなる。

ボロボロになって一人で立てなくなる。

もしそうなったら……弟はどうなるの?

大学辞めるなんて言われたら……。

心の中は不安で一杯だ。
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