本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
美和に対して羨ましいと思った事は何度かあるけど妬みはない。
その理由は、美和には4つ下の幼馴染の彼氏がいて、その性格からは考えられないほど彼に一途なのだ。
イケメンに誘われてお酒を飲みに行ったとしてもそこからいいムードになることはない。
とにかくブレてないのだ。
飲もうと言われたらお酒を飲むことに徹している。
だから出会いから進展することが全くない。
それは一緒に飲んでる私も必然的にそうなる。
進展したことなど一度もない。

ご挨拶が遅れましたが
私の名前は香坂杏奈(こうさかあんな)27歳。
食品会社に勤務している。私は事務で美和は営業。
彼氏いない歴は…聞かないでください。
だって恋愛でいい思い出はないし、むしろ消し去りたい過去しかない。

そんな私に運命の悪戯の様な事が起こったのです。
さっき美和に(ここ大事。私にじゃないから・・・)
声をかけた2人組みの男性のかっこいい方…忘れもしない。
高校の時に思いを寄せていた小牧恵一(こまきけいいち)。
人生で初めて本気で好きになった人で、私の初めての男だ。

私の黒歴史だ

その黒歴史を作ってくれた張本人が今目の前にいるのだ。
だが彼はその事を憶えている様には思えなかった。
だって一緒に飲み始めて既に1時間は経過しているけれど
今日は初対面みたいによそよそしく話すからだ。
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