「ありがとうございました」
先生が病院の救急外来まで運んでくれた。
目は異常なかったものの目の周りが少し腫れているらしい。
見栄えが良くないので眼帯で腫れを隠した。
「しかし・・・パンダみたいだな」
先生が私の顔を覗き込みながら笑う。
「パンダでわるーございましたね。・・もう、男ならもっと
人を労わる様ないい方出来ないんですか?だから彼女も出来ないんですよ」
本当は感謝している。
凄い心配してくれたのはわかってるから・・・
でも・・・その一言がね・・・・
私を素直にさせてくれないんだよね!

車に乗ると先生があっ!と声を上げた。
「おい!小牧に連絡入れておかなくていいのか?」
・・・・あっ・・すっかり忘れてた。
私はバッグから携帯を取り出すと
着信が5件
どれも小牧君からだった。
でもこの姿を見せたら心配するだろうし・・・
今神社に行ってももう小牧君はきっといない。
心配かけたくなくって
『小牧君ごめんね。実は急用が出来て
 行けなくなりました。また連絡します』
メールを送るとそのまま携帯をバッグにしまった。

「おい…いいのか電話は・・・」
先生が気を使ってくれたが、
「だってこんな顔みせたくないもん。心配するだろうし・・・
医者も安静にって言ってたから・・・いいです」

「・・・・わかった」

先生はその後、私を家まで送り届けてくれた。
帰り際
「先生!」
車に乗ろうとしていた先生を呼びとめた
「ん?何?」
「ありがとうございました。それと・・今日の普段着の先生
 かっこよかったです。あとは・・・その口の悪さがなおれば
 すぐに彼女できると思いますよ」
すると先生が私の髪の毛をくしゅくしゅっと触った。
「彼氏持ちパンダに言われたくないけどな・・・かっこいいは、
ありがたく受け取っとくよ。じゃあ・・・な。お大事に」
そう言って先生は車に乗り込み帰って行った。

自室に戻り携帯を確認したが小牧君からの返事はなかった。
「どっちにしろ・・・こんなパンダ目じゃ会えないよね」
返事がない事への小さな不安はあったが、
今はとにかくゆっくり目を休めて早く治す事が先決だと思った。

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地味子  すれ違い  勘違い  再会 

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