不幸ネット

屈辱

「う、ん……」

 私が意識を取り戻したのは明け方の、うっすらと外が白み始めた頃。

 私、何で……

 ゆっくりと体を起こすと頭がじんじんした。

 そうだ、私……

 はっ、となった私は注意深く室内を観察した。

 ……良かった。

 室内に特に異常はない。

 昨晩の記憶が徐々に蘇る。

 まずは携帯に視線を落とした。

 電源ボタンを押すと、そこには見慣れた待ち受けの画面。

 私はひとまず胸を撫で下ろした。

 次に視線が向かった先は、玄関。

 さすがにもう何もいない、よね……

 恐怖が私の行動を鈍らせるけど、確認しないのはもっと怖い。

 一歩一歩、玄関へと向かう。

 嫌な汗が頬を伝った。
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