いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。

孤独


***

【6月18日】

一人ぼっちの日々が始まって、
もう数十日が経ちました。

あれから春斗とは一言も話していない。

それに、春斗と話さなくなった私に
わざわざ話しかけてくる人も、
一人もいなくなった。

だけどまた、春斗に助けられちゃった。

今日は朝、
学校へ行く道を忘れちゃったんだ。

そしたら春斗が駆け寄ってきてくれて、
通学路が分からない私を学校まで
連れて行ってくれたの。

でも、こんなんじゃ、
春斗に病気のことバレちゃうよね。

ねぇ、神様……。

なんで、私なの……?

なんで私ばっかりが、こんなに苦しいの?

今さらこんなこと言っても
どうにもならないってことは、
私自身が一番よく分かってるけど。

もういっそのこと電車通学をやめて、
お母さんに送り迎えを
してもらおうかな………。

***

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