イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「何度言ったらわかる?お前と結婚する気はない。女としては見れないんだよ」

……すごく冷たく感じる刹那さんの声。

面と向かってあんな事言われたら……私は一生立ち直れないかも。

「納得いかない!……私があんな人に劣るって言うの?」

「これ以上言っても時間の無駄だ。叔母さんには連絡してあるから、フランスに帰れ」

「……そんな……刹兄さま……」

雪乃さんがしゃくり上げる。

「もう俺を怒らせるな。今度、俺達の邪魔をする事があれば、強制送還だけでは済まないぞ」

刹那さんが冷たい声でピシャリと言うと、ガラガラっと病室のドアが開いた。

いけない‼盗み聞きしてた事がバレちゃう!

私は慌てて目を閉じて寝た振りをする。

カツカツと靴音を立てながら、刹那さんが私が寝ているベッドに近づいてくる。

彼が一歩近づく度に心臓がバクバク。
< 211 / 288 >

この作品をシェア

pagetop