イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
私も例外ではない。彼の笑顔に胸がきゅんとなる。

「俺をハラハラさせる事が出来るのは桜子ぐらいだな」

優しい眼差しを向けながら、刹那さんは私の頭をポンポンと軽く叩く。

「……それ褒めてないですよね?」

「さあ、どうかな?点滴も終わったようだしうちに帰るか?」

「うち」とても心地よい響きだ。

刹那さんの言葉に私はコクリと頷く。

私の王子さまはとても意地悪だけど、優しい。

刹那さんを今まで読んだ本のどんなヒーローもよりもハンサムで格好いいと思ってしまう私は完全に彼の虜。

お姉ちゃんが帰って来なくて良かった。

このままお姉ちゃんが現れなければいい。

そうすれば刹那さんの側にいられる。

もっと彼の事を知りたい。もっと彼に触れたい。

私はどんどん貪欲になる。

神様、うちは仏教だけど……願いを叶えてくれますか?

ずっと刹那さんと一緒にいさせて下さい。
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