君のいいところ、1つしか思いつかない。




「ちょっと待ってて!」





走って近くにあるジュース屋さんに行き、氷水ください、と頼む。




バッグからハンドタオルを出して、貰ってきた氷水で冷やした。





「しゃがんで」




少ししゃがんでやっと同じくらいの目線になる結城くんの頬に、タオルを当てる。


その冷たさに一瞬、キュッと閉じられた瞳。





近くで見ると本当に痛そうで。




「ごめんね…!」



私の目からはやっぱり涙が止まらなくて。




「晴、ありがとう…っ」





怖かったからか、緊張が解けた安心感からか、はーちゃんも泣いていた。









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