GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
ったく、少しはこっちの気持ちも考えろよ。そんな気持ちも込めて、城薗に消しゴムのかすを投げた。
「わっ、快二、のバカ!汚いっ」
「お前の髪飾りとしていいと思ったんだけどなー」
「こんのー仕返しっ!」
そう言った城薗が数本のペンを投げてきた。
「ってぇっ!おまっ、やり過ぎ!」
素直になれないから、お前と話せる時間がほしい。だからお前に……その、ちょっかい出すんだ。
同じクラスだし、授業中だったり、休み時間だったり、お前と同じ空間にいる時間は長い。
鞄から准から借りた今日提出のプリントを出して眺める。『志摩准一』の名前を見るだけで、小さなライバル意識が芽生える。
「……負けたくねー」
ポロっとこぼれた本音は、城薗へも誰にも届くことなく空気へと変わった。
なぁ、城薗。
俺の方が准よりも近くにいんだよ。だから、早く、俺の好きってサインに気付いてくんねぇかな。
早く、俺のことを……見てくんねぇのかよ、こんのバカ城薗。