GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「あんな奴がモテるなんて、あたしには分かんないなー」
そんな独り言を呟きながら、雪がいる場所へ足を進めた。
「どうだった?渡せた?」
お弁当を食べるのを待っていてくれた雪が尋ねる。
「渡せたけど、野球部への差し入れって思われちゃったよー」
「ははっ、志摩くんらしい~」
笑い事じゃないもんっ。
「でも、食べてもらえてるみたいだし、よかったじゃん?」
「ま、まぁね」
志摩の鈍感はかなり手強いものだって改めて分かったし、こりゃ志摩に振り向いてもらうには、まだまだ努力が必要みたい。
「よし、お弁当食べよ~!」
「うん」
でも、これからも志摩へのアタックは続けてやるんだからね。
いつか、いつか志摩が振り向いてくれますように。
他の女子になんて目移りしませんように。
ねぇ志摩、早くあたしの好きに気づいてよね?
それで、あたしのことを意識してくれないかな?