自分勝手な俺に、

極悪非道な俺に、

紗奈の隣にいる資格はない。


俺は紗奈を傷つけることはあっても、幸せにはしてやれないー…


だから、俺は紗奈を求めてはいけない…。




紗奈と別れて、こうしてまた紗奈と再会して、忘れたことのなかったあの頃の出来事が鮮明に蘇っていく。




俺、お前のこと、好きすぎたんだー…



だから、俺は逃げた、大好きなお前から、苦しくて、逃げたんだー…








『紗奈、お前といるの苦しかった…』




俺の言葉に、再会して、目の前にいる紗奈の目から一粒の涙が流れた。









『……陸、それでも私は……陸と一緒に居たかったよ……』





『陸がどんなに苦しくても、それでも私は陸の隣に居たかった……陸と笑い合っていたかったよ……』







紗奈のその言葉達が鋭利なものとなって、俺の心を突き刺していく。








『……紗奈…あの頃、あの頃は、俺もそうだった…。
 でも紗奈は海に出会ったんだろう…?

 海なら俺とは違ってお前の手を離したりしない、ずっとお前の傍にいてくれるよ…。
 だからさ、俺なんかを想うのは止めろ、もう俺をお前の記憶から消せよ、な?』






俺は最低な男だから、想ってもらってもお前の想いに応える資格ないから。



だから、“うん”って言ってくれよ…。













『……私は陸を忘れない。
 でも…陸がどうしても海君を選べっていうなら陸の言うとおりにする。

 海君と一緒に居ても、私の心には陸しか入れない……陸しかいない…』






もう、やめてくれ…。



もう俺だけ、とか、

俺だけを好きとか、


俺の前で言わないでくれ……




お前がそういうから、俺はいつもお前にこう言っちゃうんだよ…






『海を好きになれ。
 海と幸せになってよ』




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