ハートブレイカー
『浪川、これ英訳しとけ』
『は?できないと聞こえた気がするが。そうだ、俺がやれと言ったことはやっておけ。あちらも待っているんだ。時差があるから大丈夫。こっちには時間はある。だからできないと言う暇があればやれ !』
『よくやった。やればできるじゃないか。おまえに任せて正解だった』

今思い出すと・・・厳しかったよねー、あの人。
ポーカーフェイスなだけに、声で不機嫌度を測ってたっけ。

でも、氷室課長のおかげで、仕事のスキルは格段に上がった。
インターナショナルスクール出身の彼からビジネス英語を学んだおかげで、私の英語レベルも上昇した。

あのとき彼に鍛えられた根性とスキルと、やればできるっていう自信があれば、どこへ行ってもやっていけるはず。

・・・・・・皮肉だ。

とにかく、今までの過去にさようなら。
私は行方をくらまし、人生の再スタートを切った。

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