懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
悠も実は死んだフリをしているだけで、俺たちを驚かせようとして仕組んだ事で……。


そこまで考えた時、彗が悠の瞼に触れた。


そしてクッと押し上げる。


悠の眼は濁っていて空虚を見つめている。


生きている者の輝きは、そこにはもう存在していなかった。


俺はそれ見て唇をかみしめた。


これは現実だ。


嘘でも、冗談でもない。


彗は右手でスプーンを持ち、左手で悠の瞼を押し上げている。


そして、彗はスプーンをしっかりと握り直したのだった。
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