秋月がムッとしながら社長室を退出すると、俺はクスッと笑った。

彼女と話していると、六年ぶりに日本に帰って来たんだと実感する。

「沙羅くんとは親しいのか?」

社長であるじいさんが口元に笑みをたたえながら、面白そうに俺に聞いてくる。

「向こうはどう思ってるか知りませんけど、俺が唯一認めるライバルですよ」

「ほお。それは、興味深いね」

じいさんの目がキラリと光る。

さては、俺と秋月をくっつけようと画策しているのだろう。

「まあ。俺を楽しませてくれる貴重な存在です。変な気を回して邪魔をしないで下さいね」

俺はニッコリ笑ってじいさんに釘を差す。

「努力はするが、私もそろそろお前の子供を抱きたいんだがね。お前ももう二十八だろ?」