ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
『聞きたいことは俺に聞いて』
結婚式を挙げて、ハネムーンから帰って来た後、響さんとこのマンションで暮らし始めた。
まだやっと一ヵ月足らず。
休日を別々に過ごすのは、これが初めてだった。


たまには一人で過ごす休日も悪くない。
そう自分に言い聞かせて、私は忙しく立ち回った。


洗濯物を干した後、いつもより念入りに掃除をした。
気分はほとんど時期外れの大掃除並み。
リビングもトイレもバスルームも、とにかく思い付くところは全部磨き上げた。


引っ越して来てから一ヵ月経たない部屋は、まだ全然汚れていない。
どう頑張っても、二時間も経てば、掃除する箇所は思い浮かばなくなった。


文字通りピカピカになったリビングで一人ぽつんと立ち尽くした後、ポンと手を打ってキッチンに駆け込んだ。


冷蔵庫を覗いて、残った食材で昼食のメニューを考える。


そうして料理に取り掛かって十五分。
出来上がったワンプレートランチをリビングに運んで、テレビのリモコンを操作しながらソファに腰を下ろした。


テレビから音声が流れ始めると、お皿に向かって両手を合わせて、頂きます、とお行儀よく食べ始める。


全然面白くないテレビをぼんやり見ながら食事を終えて、食器を片付けてからリビングに戻って来る。
見上げた時計は午後一時を指し示していた。


それを見て、私は途方に暮れる。
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