嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?
一、舞踏会に招待されてません。

人生で初めて、いや最初で最後の合コンに行ったには、就職が決まった夜。
そして次の日はもう会社で研修が始まることになっていた。
なぜなら、卒業しても就職先が決まらず、本当の本当にギリギリ滑り込み内定だったから。
名前だけはお嬢様で有名な短大だってことと、祖母の名前と実績のおかげで決まった。

『契約社員』として。

「ちょっと、緩奈(かんな)さん見た? 今日のメンバー、すっごいヤバいんだから」
「耳にタコやらイカができるぐらい聞いたよ」
「そうだよう。ヤバいの。同じ大学なのにキャンパスは違ったけど、同じ敷地内にいたんだから! あんなイケメン御曹司が!」


御曹司。そんな言葉が日常で溢れているのは、お嬢様学校だからか。

私には無縁な言葉に、夢の中に居るみたいだ。

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