嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?
エピローグ



打ち上げの会場は、以前、私に紡さんがピアノを引いてくれたあのイタリアンレストランだ。

本当に本当の関係者だけを集めての打ち上げってことのようだ。


この前来た時にはちらりとしか見えていなかった、外の小さな噴水の回りやピアノやカウンターの回りにはキャンドルが置かれて、色んな色の淡い光が灯る中、皆でビュッフェ形式の食事を楽しんでいた。


そう。映画監督と新さんのシャンパンの掛け合いでとっくにパーティーは始まっているのに――紡さんはまだ仕事先から帰って来ていなかった。

「あら、そのワンピース可愛いわね」

そう声をかけてくれたのは、塚本さん。
打ち上げに、紫の桔梗の着物を着てきた彼女は、ドレスばかりの会場で目立っていた。

「これ、昨日の夜、いきなり送られてきたんです――」

ローズピンクのシルエットがふんわりとして可愛いワンピース。
螺旋階段を歩けば、中のチュチュから見えるレースが元気よく跳ねそうな――私にぴったりの元気なデザイン。
< 223 / 231 >

この作品をシェア

pagetop