嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?
三、義姉が意地悪とは限りません。

「貴方の配属先を『デザイン企画部』に変更するとか副社長が言ってきたから、辞令をつっかえして置いたわよ」
「塚本さん」

出勤して第一声が挨拶ではなく私の辞令についてだった。
早速あの二人が手を回したんだ。
「今貴方が配属を変えるのは良くないわ。昨日のあの事件のせいで左遷みたいじゃない」
それで怒ってくれたのだと思うと、本当に胸がじーんと熱くなる。
綺麗でサバサバしてるし仕事も出来るし、本当に塚本さんは私の理想の上司だ。
「あの、昨日は迷惑をおかけしましてすいません」
「良いのよ。あれから御曹司二人が張り切って、雰囲気を作りなおしてくれたし、新人たちは嬉しそうだったわよ」
思いだしてニヤニヤ笑う塚本さんを見たら――罪悪感はあるもののちょっとだけ安堵する。

「で、今日から『シンデレラ』の企画チームに貴方は補助として配属されるらしいから、副社長の部屋で案内するわね」
「え、っと、シンデレラ?」
「そう。映画のシンデレラとタイアップ。シンデレラの身につけるジュエリーをウチの『TEIARA』が作ることになってるの。極秘だからメンバーも少ないし、あの二人と貴方知り合いみたいだし大丈夫でしょ」

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