溺愛モラトリアム 【SPシリーズ新城編】


え。まさかの真実?

真っ赤になった高浜さんは頭を抱え、大きな体を丸めてしゃがみこんでしまった。

なんだろう……私今、すごくがっかりしてる……。


「はっ。新城さん、それより」

「はい、私語はもう禁止。ちゃんと任務に集中できないならSPなんか辞めちまえ」


ぐっと喉がつまる。

そうだ、のんびりした先輩たちに囲まれて忘れていたけど、今は一応仕事中だった(やることないけど)。

同じセリフを聞いた高浜さんも頬をたたき、きりっとした顔で立ちあがる。


「それとも、もうSPなんか辞めて俺と結婚する気になったか?」


納得いかなくてにらんでいると、新城さんは余裕を感じさせる微笑みでそんなことを言ってくる。


「なに!?結婚?」

「高浜さん、うるさいです」

「そんなの、しませんから!」


断言すると、新城さんは少し寂しそうな顔で苦笑した。

もう……覚えてなさいよ。

二人きりになったら、絶対追及してやるんだから。



< 60 / 279 >

この作品をシェア

pagetop