美男子の恋事情!


門から出てくる沢山の女子。



『ねぇ、あの人誰待ち?』

『ってか、凄く格好良くない?』

『彼女いるのかな?』



彼方此方からそんな声が聞こえる。


いつの間にか俺の周りにはギャラリーが出来、俺のイライラは頂点に達しそうだ。


くそっ、早く出てきてくれ!春川セイラ!


中津川女子高校の正門脇で、壁に凭れて待つこと二十分。


未だ彼女の姿はない。



手にはピンクの傘。


これを持ってるだけでもかなり恥ずかしいのに、ましてや女子校の前で堂々と待つなんて。


顔から火が出るほどだ。


少し場所を変えようか。


今思えば、この前会ったとこで待ってれば良かったんじゃないか?


今からでも遅くない。


そうと決まれば早速、と数メートル歩いた時。



『あれ?この間の……?』



待ち望んでいた彼女の声が聞こえた。


振り返ると、春川さんが不思議そうに俺を見ていて。


失礼だけどその顔が間抜け過ぎて、思わず、ふっ、と笑ってしまった。





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