気になる!
「えっ?!」


何処からそんな疑いがかけられたのだろうか。
予想外の事に驚きはしたが、動揺はしなかっ
た。見に覚えなんてないし、やましい事だって
何もしていない。どういういきさつでこうなったか分からないが、話を聞いて貰えれば、誤解は解ける。
美鶴はこの時はまだ余裕があった。


「ガラスケースの鍵は図書室の鍵と一緒に
なっている。図書委員の君が開ける事は
簡単だ。」


確かにその通りだった。


「え…わたし、そんなこと…。」


「司書の安田君が言うには一昨日見た時に
は何とも無かったそうじゃないか。」


校長が威圧感と共に畳み掛けてくる。
美鶴の身がすくむ。司書に助けを求めようと
したが、目を逸らされた。


(…?。)


少し離れて、端から見ていた凌も気になった。
さっきまでのいきさつを思えば、また美鶴を
怒鳴り付けるかと思っていたのに。
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