追憶の彼方に
2章  社会人

✩✩一華サイド


一華‥‥サイド


私は、あのまま
波瑠とは連絡取らずに
大学を卒業した。

こちらから、連絡して
別れを言われるのが
怖かったのかもしれない。
もう、終わっているのに······

私は、大手の不動産会社に入社し
受付に配属された。

覚える事は多く
毎日くたくたになっていた。

同期入社で受付に配属された
今井 優里(いまい ゆり)とは
初めから、気があって
直ぐに仲良くなった。

優里は、とても綺麗だけど
さっぱりした性格で、
一緒にいて楽しくて、
毎日笑ってばかりいた。

毎日、大変でも、
優里とだから乗りきれていた。

会社には、外人のお客様も多く、
二人できちんと分担して
仕事をこなしている。

初めて、二人で食事に行ったとき
お互いの恋愛談に話が弾み
私も自分の事を聞いてもらった。

優里は、波瑠の事を怒っていたが

「一華は、綺麗だし、
いい女なんだから、
次の恋をしなさい。」
と、言ってくれた。

私も、そうは思うけど
あんなに、大好きだった人を
簡単には忘れられず
自分でも····重い女だと思う

会社に入社して
半年が、過ぎた時······

営業課長の
結城 葵(ゆうき あおい)さんから、
何度も食事に誘われるようになった。

結城課長は30才で、
エリート街道を進み
顔は、甘いマスクをして
社内でも人気度が高い人


優里は、
「新しい恋だよ。」
と、言うが、
私は、中々、誘いに乗れなかった。
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