オトナな部長に独占されて!?



あ、やっぱり構って欲しかったのか。

そうならそうと、はっきり言えって感じだ。


「どうしたの?」と一応聞いてあげると、立花萌は椅子を私に寄せて、こんな悩みを打ち明けてきた。



「お茶汲み係を、外されちゃったんですぅぅ〜シクシク」


「は?」



お茶汲み係って、なに?

基本的に自分の茶くらい自分で入れるというのが、営業部のスタンス。


狸オヤジの時には、『女の子なら普通は、頼まなくても気を利かせて俺の茶を入れるもんだろ?』と言われたことがあったけど、

女子社員一同、ガン無視。

そうしたら、下山がいそいそと狸のお茶を入れていたっけ。


そう思った時、数メートル先にある部長デスクで、コートを羽織り何やら出掛ける支度をしている葉月部長の姿が目に入った。


それを見て、そっかと気づく。

立花萌の言う『お茶汲み係』とは、『葉月部長専用の』ってことだね。


一体、一日何杯の茶を飲ませれば気が済むのかというくらい、彼女は葉月部長だけにせっせとお茶を出していた。


珈琲、紅茶、緑茶だけじゃなく、『部長の疲労回復に甘酒買ってみました〜』とか、この前おかしなことを言ってたっけ。


立花萌だけじゃなく、他の女子社員もお茶を出していたし、葉月部長もとうとう辛くなったんだろうね。


きっと自称お茶汲み係の女子社員全員に、紳士的にやんわりと、湯呑みを突っ返したのだろう。


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