Hospital waste
入院患者
雨の音で目が覚めた。

随分と激しい雨だ。

明るかった筈だが、雨雲に遮られて日差しが届かなくなったのか、それとも夜になったのか。

ゆっくりと目を開け、身を起こそうとして、顔を顰める。

後頭部が痛んだ。

激しく殴られた痛み。

頭を押さえ、アレックスが身を起こそうとすると。

「ようこそ」

そんな声が聞こえ、反射的に向き直る。

大腿部のホルダーに手を伸ばし。

「持ち物は全部取り上げられちゃったわよ」

声の主は、あっけらかんと言った。

「患者にあんな物騒なナイフや拳銃持たせとく訳ないじゃない」

「……」

アレックスが向き直った先には、若い女性がベッドに腰掛けていた。

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