お前、可愛すぎてムカつく。


「クソが」


蒼空がボソッとつぶやく。



「え!?私!?」


「違げぇし!アイツだよ、松林!」


「ああ…。なんかいつもの先生じゃなかったよね」


「意外に敵が多いな…」


「敵?」


「アイツも彩に気があんだよ」


「嘘でしょ!?」



先生が…私なんかを…ありえない!



「思い当たることねぇの?」


「ないよ!全然!!」


そう言ってから思い出した。


この前一緒に花壇の水やり手伝ってくれたり、帰りに送るってしつこかったり。


でも…でも…


松林先生がまさか…。



「松林とも二人っきりになんなよ」


「な、なんないよっ。それに先生が私なんかを好きなわけないもんっ」


「とにかく、二人っきりにはぜってぇーなんな。いいな!?」


少し強めな口調で言われた。


心配してくれるのは嬉しいけど、ムキになりすぎじゃ…

< 133 / 307 >

この作品をシェア

pagetop