夏とラムネと入道雲
入道雲


「なつみ変わったね?インドアだったくせに!!」



友達からは笑われたけど真っ白な肌だったあたしはこんがりと日焼けをしていてまるで別人。



「日焼け止めというものを買ったことなくてさぁ!ヤバイよね!女子高生のくせに!!」



「ぷ…でもなんかなつみらしい。」



月日は流れる。
夏という季節を何回むかえただろう?



入道雲とラムネを見ると毎年あの男の子を思い出す。あれから何回か駄菓子屋に行ったけど一度も会うことはなかった。



「彼女とはまだ続いてるのかなぁ?」



うん。きっとうまくやれていると思う。



あたしは相変わらず恋なんて無縁だけどさ。少しだけ変われた気がするんだよ。



高校卒業してからコンビニのバイトを始めてみた。同じシフトの男の人はひとつ年上の先輩。



妙に気が合ってその先輩と同じシフトの日はえらく気合いを入れてメイクをする。



バレバレかな?恋かも分からない子供なあたし。でもドキドキして話せるだけ嬉しくなるんだ。



「明日花火大会だからお客さん多いかもね!」



「ですね!明日バイト休みでよかったぁ!!」


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