恋する歌舞伎
沈痛な面持ちの2人の親は、国家転覆を企む蘇我入鹿(そがのいるか)に呼び出され、ある命令を下されたのだった。

それは「雛鳥は自分の妻にするから差し出せ。久我之助は自分の家臣になれ」という残酷なもの。

表面上は対立しているものの、子供たちには幸せになってもらいたいのが親心。

入鹿に背けば両家とも滅ぼされるのは必定だが、密かに愛し合う2人のこと、添えないならば自害してしまうかもしれない・・・。


腹を探り合う2人の親だが、もし入鹿に従う場合は吉野川に花のついた桜の枝を流す、背くときには花を散らした枝を流して合図することを互いに約束し、それぞれの館に帰る。


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