エリート医師に結婚しろと迫られてます

今日も滞りなく業務を終えたと思った途端に、どっと疲れが吹き出してきた。

無理もない。男性と長い時間向き合うなんてずっとなかった。

もちろん、服を着てるネズミ目の小男ことじゃなくて。素敵な男性のことだけど。

森谷さんといるだけで緊張するのに。

何もしないでベッドの中でずっと抱き合ってるなんて。

仕事を理由にずいぶん、デートにすら出かけていなかった。

いえ、正義の女神の前で、正直に言うと、学生時代にもデートなんて呼べるものは、まったくしてない。

付き合った相手って、同じ大学の学生だったし。

司法試験を控えてピリピリしてたから、
お互いにゆっくり喫茶店に入って参考書を閉じて話をするなんて到底無理だった。

でも…これも正直に言うと…私の人生で彼氏って呼べたのは、森谷さんに会うまで彼一人だ。

もちろん、中学のときの出っ歯まで入れると、多少は増えるけど。

出っ歯を入れるのは、さすがに、私の低いプライドだって許さない。


それが、たった一晩ですっ飛ばして…あんなことに…

そう考えると、ますます週末の出来事が現実に起こった事ではなく、夢の中の出来事に思えてくる。

さらに時間が経つと、森谷さん、週末に誰と一緒にいたのか思い出せないんじゃないかなって思えてくる。

森谷さん?
このまま連絡しないでいたら、彼の方も私の事を忘れちゃうかな。

何にも連絡がない…たった一日だけど。


それとも…
私からした方がいいのかな…


する…
しない…


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