幼なじみの罪ほろぼしと恋心

10月9日。

メインイベント前の私にとっては、あまり意識していない飲み会の日。


完璧メイクに、女らしいワンピースと気合の入った沙希を先頭に、普段のオフィスカジュアルの私と美野里。それから沙希が誘った後輩の四人で大樹の予約した店に向かった。


会社から東京メトロで二駅程離れた場所にある洋風創作料理のその店は、レンガの店構えのかなりお洒落な外観だ。

転勤して来たばかりの大樹がそんなお店を知っていた事に少し驚きながら、扉を開き中に入った。


お店の奥、パーティションで仕切られたスペースに有る八人がけのテーブルが大樹の予約した席だった。


大樹達はまだ来ていないみたいだ。


キョロキョロしいる私の隣で、席の配置をどうするか沙希が結構真剣に悩んでいる。


私と美野里はどこでもいいから、一番に選ぶ権利を沙希と後輩の子に譲り、決まるのを待っていると、パーテイションの向こうが騒がしくなった。


その直後、大樹とその同僚らしき3人が姿を現した。


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