幼なじみの罪ほろぼしと恋心
あ、着いたんだ。

そう思ったのと同時に、先頭に居た大樹がパアッと輝く様な笑顔になり、足早に私の所へやって来た。


「花乃、遅くなってごめんね」

「え? 時間丁度だけど」

「うん。でも本当は先に来て待ってようと思ってたんだよ。遅くなって花乃を心配させたくなかったから」

「……別に心配なんてしてないけど」


そう言えば、私は大樹がドタキャンしたり、大胆に遅刻したりするなんて心配、少しもしなかったな。

絶対来ると思ってたし。


大樹と話していると、間に割り込む様にして、大樹の同僚らしき男の人が声をかけて来た。


「大樹、とりあえず座ろうぜ」


そう言った男性は短い黒髪のすっきりした一重の和風顔。
身長は180センチくらい有る大樹とほぼ一緒の、10人に聞いたら7人くらいがイケメンって答えそうな結構素敵な人だった。


他二人は、身長は低そうだけどクオーターの様な彫りの深い正統派美形と、他の人に比べたら地味だけど、見るからに人の良さそうな男性。
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