鈴木くんと彼女の不思議な関係
お前は、仲間だ。


 5月 初夏の爽やかな陽気は、受験生の俺にも平等に降り注いでいる筈なのに。

 4階にいた1年の頃は、窓から外を眺めると、大きく育ったヒマラヤ杉の梢の向こうに、遠く国道沿いに建つビルが見えた。広々とした眺望の中を、どこまでも飛んで行けそうな気がして、窓から外ばかり見ていた。ヒマラヤ杉になら飛び移れるような気がして、窓の外に立ってみたら、教師に見つかってすげー怒られたな。

 3年の教室のある2階の窓から見えるのは、どっしりと太い幹と分厚く茂った枝々。南棟の校舎の窓。狭い中庭のベンチで弁当を食べる少女達。太陽を観察している天文部員。なんか、4階に戻りてぇなぁ。。


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