鈴木くんと彼女の不思議な関係
何も舞台の上でやらなくても。

 ちまたはそのまま夏休みに突入した。俺と清水がキスした事はそれなりに知れ渡ったようで、友達にはさんざんからかわれたが、とくに実害という程のものは無かった。
 文化祭の準備もそのまま2学期まで凍結となり、俺達は受験生としての夏休みをそれぞれ過ごした。

 いきなりテストから始まる2学期は、文化祭の予兆で校内全体が落ち着かない雰囲気に包まれていた。放課後の教室を使って芝居の練習をしたり、廊下で舞台装置を作ったりと、皆が次第に祭りの準備にヒートアップしていくのが分かる。

 俺はといえば、慣れない演技に加えて、舞台装置のほうも何かと口を出したくなってしまって、忙しすぎて目が回りそうだ。

< 84 / 120 >

この作品をシェア

pagetop