強引な次期社長に独り占めされてます!
15:魔女と死神
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ある意味、普段通りの月曜日。

「最近楽しそうね、上原主任」

ニヤニヤする芳賀さんにチラッと視線を向けると、視界の隅に顔を上げた幸村さんが見えて、とりあえず返事をせずに伝票整理に戻った。

「芳賀さん。無駄話を持ちかけない」

やっぱり幸村さんから注意が入る。

「えー……。でも、ほら。気になるじゃないですか」

「駄目よ。あなたの後ろでも目を光らせてる人いるから。あまり困るような質問飛ばしたら、あなただけが怒られるんじゃない?」

後ろ……?

思わず芳賀さんと一緒に振り返ると、ブルーカット眼鏡をかけた雄之さんと目が合った。

「芳賀だけを注意するということはない、松浦もしっかり注意する。それに別に話していてもかまわないぞ、書類が正確に終わるのなら。君らは決算期に話をしながらミスなく作成できるのか?」

芳賀さんと視線を合わせて、伝票に向き直る。そんな高等スキルを持っているわけがない。

今期の決算期の経理はてんてこ舞い……なのだそうだ。

何故かと言うと、過去の営業部……。

実際には、飛んじゃった営業課長が水増しして横領していた部分の訂正や、計上直しを同時進行だから……なのだそうで。

経理課だけが事実を知らされ“決算期の忙しさが大変なんです”という表情で仕事をしている。

ずっと営業部の書類を任されていた野田さんは、無表情にショックを受けていたけど。

……って言っても、決算期のこの時期は、私はいつもいっぱいいっぱいだから“とにかく大変で忙しい”という思いしかないんだけど。

「そろそろかしらねぇ……」

野間さんが近づいてきて、私の肩をポンと叩いた。

「頑張ってね」

ななな何がでしょうか?
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