太陽を追いかけて


ガラガラ……とリビングの扉を開けると、机の前に正座をしてテレビを見ていたお母さんが、私に気付いたのかこっちを向く。


『あら、愛莉。おはよう。今日は早かったのね?まだ8時前じゃない』


優しく微笑むお母さんに、


『おはよう。今日はなんか目が覚めちゃった。眠ろうと思っても、もう寝れなくてさ』


と、私も笑って返した。


そしてそのままキッチンへ向かい、冷蔵庫から大きいペットボトルのミネラルウォーターを取り出すと、自分のコップにつぐ。


すぐについだ水をゴクゴクとのどに流し込むと、暑さに負けていた体がちょっとずつ元気を取り戻しているような気がした。


『愛莉~』


しばらく冷蔵庫の前でボーッとしていると、私を呼ぶお母さんの声が聞こえる。


……なんだろう?


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