太陽を追いかけて
そう思いながらお母さんのいる方へ向かうと、お母さんは私を見てから“そういえばね”と話し始めた。
『今日、おばあちゃんがここにくるって』
『え?』
『愛莉に会いたいんだって』
お母さんはにこっと微笑む。
『おばあちゃん、愛莉のこと昔から大好きだからね。2年前のおじいちゃんのお葬式から久しく会ってないから、おばあちゃんも寂しいんだわ、きっと』
そして、ちょっとだけ切なそうな表情になると、私を見てまぶたを伏せた。
『今日のお昼過ぎにくるみたいだから、愛莉も1階に降りてきてね』
お母さんのその言葉にこくんと頷くと、私はそっとつぶやいた。
『おばあちゃんと会うの、久しぶりだなあ……』
お母さんがさっき言っていた通り、おばあちゃんと会うのは2年ぶり。
おばあちゃんも、おじいちゃんが先に亡くなってつらいんだよね。
私と会うことで、ちょっとでもおばあちゃんが元気になってくれたらいいな。
そんなことを胸のどこかで思いながら、私は2階の自分の部屋へと戻った。