強引同期が甘く豹変しました

「あのさ…」



不機嫌そうな矢沢を見ながら、私はあの時の状況説明を始めた。



「何」

「もう何年も前のことだし、森さんも去年結婚して寿退社したわけだし…」

「森？何で森の話しになるんだよ」

「いや、だからそれを今から話すっていうか、今なら話してもいいかなって思えるから言うけど…でも、これは今だから言える話なんだから、サラッと聞き流してよ？」


「…お。なんかよくわかんねーけど…わかったからもったいぶらずに早く言えよ」



ったく偉そうに…



「とりあえず、簡潔に説明すると…森さんが矢沢のこと好きだったんだよね」


「はっ⁉︎森が？俺を？」


聞き返してきた矢沢にコクンと頷いた私は、あの頃の状況を思い出しながら再び説明を始めた。