溺愛伯爵さまが離してくれません!

鈍る決心

朝です。

今日は実家へと戻る日。
今朝は別の侍女に伯爵さまを起こしてもらうよう、お願いをしました。

少し早めに起きると、実家に帰るために纏めた荷物の最終確認をして。
ここの屋敷では着る事のない地味な普段着に身を包み、軽く化粧をし髪を一つに結ぶと、カバンを手に持ち部屋を出ました。

部屋を出ると、そこには伯爵さまの姿。
いつもはまだ寝ている時間。
まさかそこにいるとは思わず、驚いてしまいました。


「は、伯爵さま!どうしてこんな所に・・・!」

「見送ろうかと思ってね。・・・迷惑だったかい?」

「い、いえ・・・そんな事は。むしろ、申し訳なくて・・・」

早い時間だというのに、しっかりと身なりを整え目の前に立つ伯爵さま。

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