第二秘書は恋に盲目
5.おませな小学6年生
私の人生は本当にこれでいいのかな。
このまま秘書として働いて、黒く染まっていくっていうの?
社長に認めて欲しいけど、いつか認められてしまったら、私は何かが変わってしまっている気がする。

そんなジレンマを抱えながら、今日もあやめちゃんのお相手をする。

「笠原ってさ、最近須藤先生に会ったりしてんの?」

「え?
もう傷も完治したし、病院に行くこともないから会ってないよ」

嘘。
本当は晶子さんに呼ばれて実家でご飯を食べた時に、数回会ってる…。

「なんで須藤先生のことを?」

「んー」

あやめちゃんは顎に手をあてて、何やら真剣に考え込んだ。
そんな眉間に皺を寄せて何を考えているんだか。そんな子どもらしくない仕草が微笑ましい。
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