居場所をください。
心に傷を負った者たち
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やっばー!!
夕方あの道渋滞すんの忘れてた!!
遅刻するよこれ!
「おかえりなさい。」
超急いでる私とは裏腹に、
穏やかに挨拶をしてくれるコンシェルジュさん。
「仲村さん!
これ、部屋に運んどいてもらえたりする?」
とりあえず長曽我部さんちから持ってきた
この大荷物はおいていきたいから。
「かしこまりました。」
「ごめんね、ありがと!
玄関においといてください。」
「あ、五十嵐さん。
ご友人がお見えになられていますよ。」
友達?
仲村さんに言われ、
ロビーソファに目を向けると
そこには夏音が座っていた。
「…どうして…」
なんでここに…?
このマンション、知ってる人少ないのに…
「美鈴に話があるんだ。
ちょっと時間、いい?」
「え、うん…」
そう言われて、夏音の後をついていき
私はマンションの外へ出た。