先生、恋ってなんですか?
デートをしよう

「お疲れさまでした~。また休み明けお願いします」

ランチ営業を終えて、パートさんたちを見送ると、賄いの時間だ。
外は昨日の雨が上がって晴天。
春の暖かい陽気に満ちている。

平日の賄いは、店長と二人きり。
店長が賄いを作ってくれているので、私は店内の軽い清掃と賄いを食べる準備をしていく。
カウンターにお茶とお箸とスプーンを置いたところで、タイミング良く店長が現れた。
ほかほか湯気のたつお皿を2枚、慎重に持ってくる。
今日はオムライスだ。
上のオムレツが落ちないようにそっとカウンターにおかれたお皿。
うーん、いつ見てもお見事。
タンポポって、中々自分ではできないんだよねぇ。
難しい。

「ありがとうございます。いただきます」
「おう」

二人横並びで手を合わせる。
そっとオムレツの中央にスプーンを差し込み、ちょんちょんちょん、と左右に動かしていくと見事にパカリとオムレツが開く。
半熟卵がてろん、とケチャップライスを覆う様は存在感があって、食欲をそそる。
スプーンでひと掬いして口に運ぶと、絶妙な美味しさ。
たかがオムライス、されどオムライス。
やっぱ店長が作るオムライスは、別格だ。美味しい。

「店長のオムライス、やっぱ美味しいですねぇ」
「当たり前だろ」
「はー、これだけは難しいんですよねぇ」
「崇め奉ってもいいぞ」
「あー、てんちょーすごーい」
「心こもってねぇな。まぁ、精進しろや」

軽口を叩きあい、賄いを食べながら、昨日のことを考えてみる。


< 38 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop